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ご依頼・ご相談
現場にてシンウォールサンプリング等により乱れの少ない状態の試料を採取します。高さ110~120mm程度に切断して保管し、状態の良い部分を試験試料とします。通常は1試料につき3~4供試体で試験します。
チューブと接触して乱された可能性がある周面を取り除いて中心の状態の良い部分だけで試験するために、トリマーに試料を設置して外側を削ります。台座は回転するので、ガイドに沿って削ると円柱供試体となります。
マイターボックスに供試体を固定し、上下の端面が平滑・平行になるよう削って整えます。
湿潤密度を測定します。電子天秤で質量を測定します。ノギスで直交する2方向の直径を上・中・下で計6回測定します。高さは円周を等分した3箇所で測定します。測定から得られる湿潤密度・含水比・間隙比等の状態量は、試験位置の土層を把握するための重要な要素です。
土の吸排水効率を上げるため、供試体側方にろ紙を添えます。ゴムスリーブで覆い、密封します。供試体を三軸圧力室(セル)に設置します。ゴムスリーブは厳選されたラテックス製のものを使用しています。
三軸圧力室を水で満たします。供試体は密封されておりセル水が染み込む事はありません。ただし供試体の上下端面から配管を通じてパネルに設置した二重管ビューレットへ繋がる仕組みとなっています。
三軸試験に使用する水は脱気した純水を使用しています。供試体の密封にはOリングを使用しています。Oリングの断面は円形なので円柱供試体の台座に隙間無く密着できます。
炭酸ガスを供試体下部から上部へ通気させて、ドライセッティングされた配管および供試体内部の空気をすべて炭酸ガスに置き換えます。CUbar条件などの間隙水圧を計測する試験では、供試体の飽和が試験の重要な前提条件となります。炭酸ガスが大気より重く、水に溶けやすい性質を利用して後工程での背圧の効果をより高めます。
供試体体積が変化しないように配慮しながら、配管と供試体に通水し、炭酸ガスを脱気水に置き換えます。炭酸ガスの気泡が残らないように、供試体の下端から上端へゆっくり通水させて気泡を追い出します。上端からは配管を通じて水槽へ排水されます。
ゆっくりと十分な量の脱気水を供試体に通水させた後、さらに二重負圧法で飽和させます。二重負圧法は供試体内部と、外部のセル水の両方に同じ大きさの負圧を作用させた状態で供試体下端から上端へ十分な量の通水をさせる操作です。
小さな有効拘束圧のままなので供試体の体積は変化しませんが、供試体内の残存空気は膨張して通水とともに水槽へ排出されます。負圧のバランスを崩さないように慎重に時間を掛けて通水させることで飽和度を高めていきます。
背圧を設定の大きさまでゆっくり加圧します。背圧によって気泡を溶解させて飽和度を高めます。この試験装置はセル単位で独立して運用しており、各セルでセンサー値をモニターしながら試験を進めています。もし、どれかの供試体で異常が発生した場合は自動で制御停止するとともに、他のセルは影響を受けずに試験を完遂します。
圧密開始前に非排水状態でセル圧を一定量加圧させて、セル圧と追従する間隙水圧との比:B値を計測します。飽和していればセル圧と同程度に間隙水圧が上昇しB値=1となり、せん断過程における過剰間隙水圧の適切な計測が可能となります。B値が0.95未満であれば工程を戻して飽和作業を追加します。
背圧および圧密応力はお客様とご相談して設定します。圧密応力は各供試体で異なる大きさを設定します。試験装置の各圧力計はデジタル圧力計 ±(0.2%F.S.+1digit) によって定期的に校正・検定されています。その他センサー類も校正・検定してトレーサブルな状態を維持しています。
排水状態に切り替えて、設定した圧密応力で圧密させます。排水量はバリダイン社製の精密差圧計を用いて計測しています。圧密試験では鉛直方向にのみ圧密する一次元圧密ですが、三軸試験では通常は鉛直方向と水平方向が等しく圧密する等方圧密となります。この試験装置では鉛直方向にのみ圧密させるK0圧密も可能です。
全供試体が3t法の圧密時間を経過して平衡状態となったら次のステップへ進みます。土が受ける応力(全応力)は、土粒子間に伝播する有効応力と、間隙水が受け持つ過剰間隙水圧の和です。土が仮に正規圧密状態であれば圧密開始時は全応力≒過剰間隙水圧です。土が時間経過とともに排水することで過剰間隙水圧が低下し、消散したとき平衡状態となり全応力≒有効応力となります。
この装置では自動制御で軸圧縮を行い、土がせん断され破壊に至るまでを自動計測します。土をせん断する際の試験条件は複数あります。試験条件によって土の挙動は変化しますし、同一の土試料であっても試験結果は試験条件によって異なります。
一般的によく適用される条件として、圧密させないUU条件、圧密後に非排水(体積一定)で軸圧縮するCU/CUb条件、圧密後に吸排水自由(過剰間隙水圧=0の状態を維持)に軸圧縮するCD条件です。三軸試験結果から得られる強度定数の代表として見かけの粘着力c・せん断抵抗角φがありますが、同一の土試料でも各試験条件によって得られるc・φは異なりますので、何を目的としてどのような条件で定数を用いるか予め明確にする必要があります。
この装置では終了条件に達したら自動で軸圧縮を停止し、載荷重と圧力を開放して解体を待ちます。終了条件は軸ひずみ15%に達する事など、地盤工学会の試験基準に詳細に制定されています。
三軸圧力室を解体し、供試体を取り出します。供試体はせん断によって変形し、おおよそ斜め方向にせん断面を形成しますが、軟弱な沖積土では”たる形”変形となってせん断面が見られないことも多いです。
供試体の状況をスケッチや写真で記録し、試験結果の考察材料とします。供試体を炉乾燥させて含水比を測定して試験終了です。
各過程の計測データを整理してデータシートにまとめます。データシートには結果となる地盤定数だけでなく、結果に至る過程の数値やグラフにもその土試料特有の様々な特徴が表れていますので存分にご活用ください。