安定処理土の室内配合試験

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参考資料 試験基準「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」 JCAS L-01(一社)セメント協会
試験規格「地盤材料試験のための乱した土の試料調製」 JIS A 1201 日本産業標準調査会
試験基準「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」 JGS 0821(公社)地盤工学会
試験規格「土の一軸圧縮試験方法」 JIS A 1216 日本産業標準調査会
01
試料採取と条件の設定

現場で土試料を採取します。試験に用いる土量は現場に比べればごく僅かですので、改良対象となる土層を代表するように注意して採取します。1土質に対して固化材、添加量、材齢を設定します。スラリー混合であれば水セメント比も設定します。1土質・1固化材・3添加量・1材齢であれば配合試験(一軸圧縮試験φ50mm)として必要な土量は6~8kg程度です。

02
試料調整と初期状態の把握

「地盤材料試験のための乱した土の試料調製 JIS A 1201 」に基づいて試験試料の準備をします。現場の自然含水比を維持したまま、試料が均質になるように細かくほぐしてよく混ぜます。直径φ50mm供試体であれば最大粒径が9.5mmとなるように試験用網ふるいを通過させて調整します。調整した試料にて「土の含水比試験 JIS A 1203」と「土の湿潤密度試験 JIS A 1225」を実施して土の性状を把握します。

03
配合試験試料の分取

土試料を分取します。一軸圧縮試験では1供試体あたり500gを目安とします。現場密度や前述の湿潤密度をもとに配合計算し、混合1回単位ずつの固化材や練混ぜ水を計量して用意します。固化材はメーカーから取り寄せて、風化していない、吸湿していないものを使用します。

04
混合・攪拌

土試料に固化材または固化材スラリー(固化材を練混ぜ水で溶いたもの)をミキサーで5~10分程度混合します。ミキサーのボウル内壁に試料が付着して攪拌しない場合は混合を停止してヘラでかき落とす操作を加えて、十分に混合します。

05
一軸圧縮試験φ50mmの供試体作製

混合した改良土を直径φ50mm高さh100mmのモールドに詰めて供試体を作製します。混ざり具合が不足していたり、詰まり具合が悪かったり、端面の仕上がりが悪かったりすると、一軸圧縮強さを過小評価する原因となります。作製方法としては①突固めによる作製、または②安定処理土の締固めをしない供試体作製方法、があります。

05-①
突固めによる作製方法

「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法 JCAS L-01」に基づき3層に分けて作製します。混合した改良土をモールドに入れ、1.5gランマーを200mmの落下高さで12回突固めて1層とします。各層で突固めた後の供試体高さが1/3ずつ等しくなるように土量を加減するとともに、3層目の突固め後にモールド上部がわずかに盛り上がる様にします。1層目と2層目を突固めた後は、突固めた面に刻みを付けて少しほぐすことで次の層との馴染みをよくさせます。盛り上がった上端面を削り取り、平滑に整えます。

05-②
「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法 JGS 0821」による作製方法

3層程度に分けて気泡の除去を行って供試体を作製します。気泡の除去には①コンクリート床などに軽くモールドを打ちつける(タッピング)、②木槌でモールドをたたく、③振動テーブルにモールドを置く、等あります。砂質土ではタッピングし過ぎないように注意が必要です。

06
養生

1水準につき3供試体作製したら、供試体が入ったモールドの上から密封材で被覆し、温度20℃前後の恒温室で乾燥しないように圧縮試験日まで養生させます。

07
脱型、湿潤密度測定

数日以上養生させて強度が高まったら密封材の被覆を取り外し、上部端面を削って平滑に整えます。モールドから供試体を取り出して、供試体に異常が無いか、上下の端面が平行で直角であるか確認します。圧縮試験日まで乾かないように供試体を密封材で被覆して養生させます。

08
一軸圧縮試験

「土の一軸圧縮試験方法 JIS A 1216」に従って一軸圧縮試験を実施します。初期状態の測定として供試体の質量を測定し、高さを3点、直径を高さの上・中・下の位置で2点ずつ計6点測定します。平均高さ、断面積、湿潤密度を計算します。一軸圧縮試験装置に供試体を設置して計測を開始します。高さに対して毎分1%の速度で圧縮載荷します。圧縮力が最大値に達して規格の圧縮終了条件を満たしたら計測・載荷を終了します。必要に応じて供試体含水比を測定します。

09
測定機器

当組合で測定・試験に使用する電子天秤、ノギス、荷重計(ロードセル)、変位計(ダイヤルゲージ)等の測定機器は定期校正を実施して、国家標準とトレーサブルな状態を維持し、毎日の使用前点検で異常が無い事を確認したものを使用しています。試験結果の妥当性と確かな品質を確保するため、計測値の不確かさが自主規定した範囲に収まるよう維持管理し続けています。

10
データ整理

測定した初期状態と一軸圧縮試験の計測データから、データシートに各供試体の応力ひずみ曲線を描いて各供試体の一軸圧縮強さquを求めます。次に各水準の平均一軸圧縮強さと固化材添加量の関係を並べて描いて室内目標強度に対する固化材添加量を求めます。

11
六価クロム溶出試験

セメント系固化材を用いる場合は、重金属である六価クロムの溶出量が土壌環境基準値以下であることを確認する必要があります。溶出試験に供する試料としては、室内目標強度に対する固化材添加量の改良土を作製するか、一軸圧縮試験を行った供試体のうち現場添加量に近い供試体を選定します。